茨城県野菜養液栽培研究会が「令和6年度技術等研修会」を開催

2025.01.09

 茨城県野菜養液栽培研究会では、令和6年11月26日(火)、神栖市の茨城県農業総合センター鹿島地帯特産指導所、会員である飯田氏(㈱agri new winds代表取締役)の直売所及びピーマンほ場において、令和6年度技術等研修会を開催し、会員、賛助会員、県関係者等32名が参加しました。

 鹿島地帯特産指導所では、高木副所長と樋口主任からピーマンに関する試験研究内容と成果の紹介及び炭酸ガス施用試験ハウスの見学が行われました。鹿島地域は砂質土壌であることから多肥栽培となっていましたが、養液土耕栽培により慣行栽培と比較して窒素施肥量を約45%削減でき、かつ、収量は12~15%増加することが明らかとなり、地域で普及しているとのことでした。また、炭酸ガス施用の試験ハウスでは、光量に応じて2段階の濃度で管理することで生育が進んでいることが確認できました。さらに、現在はウイルス病(TSWV)対策として媒介昆虫であるアザミウマ類を捕食する土着天敵「タバコカスミカメ」による防除体系の確立に向けて研究に取り組んでいました。

 飯田氏の会社では、スイートカクテルペッパー(ミニパプリカ)とピーマン(1ha、100t/年)、メロン(12月収穫)、イチゴ(養液栽培)、ジャガイモ、トウキ(薬草)等を栽培、最近では農福連携により菌床シイタケの生産にも着手しており、飯田氏から経営状況や活用事業、農福連携による労力確保の手法などについて詳しく説明していただきました。また、ピーマンとメロンハウスも見学させていただきました。

 参加者は、興味深く説明を聞きながら質疑応答や意見交換も活発に行われ、有意義な研修会となりました。