茨城県施設園芸研究会が「令和6年度現地検討会」を開催

2025.01.31

 茨城県施設園芸研究会では、令和7年1月21日(火)、第28回茨城県施設野菜立毛品評会 最優秀賞受賞者のトマト圃場(塙 正樹 氏(茨城町))と、キュウリ圃場(飯田 清正 氏(石岡市))において「令和6年度現地検討会」を開催し、会員、県・JA関係者等、54名が参加しました。

 塙氏のトマトは、促成、半促成、抑制を組み合わせて周年生産しており、半促成は燃油高騰対策の一環として促成の一部を切り替えて開始しておりました。苦慮しているのはトマト黄化葉巻病と異常高温による低段の着果不良であり、タバココナジラミ対策としては0.4mm目合い防虫ネットの展張と併せて気門封鎖剤を活用しておりました。高温対策としては遮熱効果のある遮光資材の利用を今後、検討していくとのことでした。また、葉枚数管理については、群落内の風通しと作業性向上のため、上位8枚を残して積極的に摘葉しており、参加者も興味深く観察しておりました。

 飯田氏のキュウリは、第26回立毛品評会でも最優秀賞を受賞しており、特に土づくりと肥培管理等、土壌環境にこだわった栽培をしておりました。ハウスの場所で地温が異なるため、地温の低い畦にはマルチを2重で張る工夫もしておりました。また、地上部では光合成促進のため、換気が始まるまでの炭酸ガス施用と湿度管理の徹底をしておりました。課題はタバココナジラミによる退緑黄化病の発生であり、0.4mm目合いの防虫ネット展張と農薬散布を実施して害虫密度を低く抑えても発生することから苦慮しているとのことでした。飯田氏のキュウリはこれから肥大する果実が沢山ぶら下がっており、参加者も興味深く観察しておりました。さらに、賛助会員である㈱埼玉原種育成会の栗田氏から飯田氏の生育状況の解説と今後の栽培管理のポイントについて説明がありました。

 検討会では立毛品評会最優秀賞受賞者の栽培を学ぶとともに、質疑応答と意見交換も活発に行われ、会員の今後の栽培技術と経営向上につながる有意義な検討会となりました。