県主催のイチゴ現地研修会に参加しました

2024.08.07

 令和6年7月16日(火)、茨城県いちご経営研究会の鷺谷会長のイチゴ育苗ハウス(筑西市)において、県主催のイチゴ現地研修会が開催され、生産者36名、県等関係機関22名、計58名が参加しました。

 研修会では、手間がかかるイチゴ苗の潅水を省力化するために鷺谷会長が考案した自作の低コスト底面給液装置について学びました。

 鷺谷会長の装置は、既存の育苗容器を使用でき、必要資材もホームセンター等で購入できるため、価格が安い資材店で購入することでコストを抑えられ、2万本程度の育苗本数では、装置の資材費は10万円以内で済むとのことでした。

 この装置を用いることで、育苗時の毎日の潅水作業が大幅に省力でき、毎日100分程度を要した作業が10分ほどで済むようになっています。また、下から吸わせるため、根鉢全体に水が十分に染み込むことから、朝1回の潅水でほぼ足りるようになっています。

 また、底面給液は葉が濡れないため、給液してすぐに、朝の涼しい時間から農薬散布や葉面散布ができるようになり、薬害が発生しにくくなったとともに、育苗期の重要病害である炭そ病の発生はほとんど見られなくなったとのことでした。

 栃木県では「とちあいか」の普及に伴い「とちおとめ」の生産が急速に減少しており、今後は「とちおとめ」の苗の緊急的な入手先を探すことは困難になることから、炭そ病による苗不足が生じないよう生産者が努力しなければならない、との話がありました。

 参加者は鷺谷会長の説明に熱心に耳を傾け、自作装置を観察しながら、使用する資材や施肥方法、各資材の耐用年数など、活発な質疑応答が行われました。